変なルアーを見つけると買わずにはいられない、おりこみです。お世話になっております。
最初に断っておきますが、私は老舗の釣具メーカーであるヤマリアやそのルアーブランド・マリアの敬虔な信者ではありませんし、生粋のラピーダー、という訳でもありません。
今回は先日、私が体験した不思議な出来事について、をお話しします。
人によっては恐怖を感じるかもしれない内容、となります。
心して、お読みください。
哀しきラピード・玄海ガンセキ…ヤマリア・マリアの定番ルアーの謎
ダイビングペンシル・哀しきラピード、事案の発生
こういうご時世に、安易に外出することもできず我が家に籠る日々…
時たま訪れる必要な外出に「ついでだから」と言い訳をつけ、余計な遠回りをし釣具屋に通う。
ショーケースの中に威風堂々と佇むリール、所狭しと並べられたロッド、煌びやかな装いで列挙するルアーたち…
久々の光景に、その安楽に、私は子供のようにはしゃぐ心を抑えながらも冷静を装い、店舗内を闊歩する。
そんなおりに…
《期間限定 》 《特別価格》…私の目に留まるポップアップ。
「ほぉ…!?」
私の心はざわめく…
「しかしこんな事ではしゃぎたてては、まるで子供ではないか…」
私は悠然とした足取りでその商品に歩を進める…
それにも関わらず、視認した瞬間、あまりの衝撃に「考える」という行為を放棄し、ただただ無心で眺めてしまう。
ラピード…
その名を知らぬものなどいるのであろうか?
ロックショア、オフショア問わず大物を求めるアングラーであれば、誰もが1度は手にした事があるであろう。
この部類のルアーにしては手に取り易い価格帯でありながら、飛距離、アクション、扱いやすさ、どれをとっても文句のつけようがない。
創業80年を超える老舗、ヤマリア・マリアの代表的なルアーである。
「新商品との入れ替えの為の在庫処分か?」
…しかしそれならばラピードでなくともよいのでは?ラピードほどメジャーなルアーであれば、いずれ購入される事は容易に想像できる。
「他メーカーからの営業か?」
…しかしそれも上記と同じ理由で考えられない。
疑念は尽きぬが、とりあえず1本購入し私は店を後にした。
その際のレシートがコチラ。
帰宅後、ネットで調べるとカラーにより異なるがF230の場合、¥3000~というところ…当カラーは¥3200~である。
釈然としない心持ちのまま眠りにつく。
翌日、私は目覚まし時計がその腹立たしい音をたてる前に目を覚ます。
何かが、私を呼んでいる気がする。
ラピード…
思えば、ロックショアでのルアー釣りを始めたばかりの頃、近しい人にそんな釣りをしている者などおらず、どんなルアーを選べば良いか戸惑い、高価なウッドプラグを前に茫然とし、初めて手にしたロックショアプラグ…
初めて釣りあげた魚はハマチだっただろうか?
おそらくヒラマサ、と思われる大物を相手にラインブレイク…ロストしたあの日、いたたまれない思いで帰路についた事を思い出す。
すぐさま、昨日訪れた釣具店の開店時間を調べ、スケジュールを考え、身支度を整える。
私がすべきことは、一つだ。
「誰も買わぬなら、私が買ってやる!」
シーズン初の沖磯へ向かうような、はやる気持ちを抑えながら車を走らせた。
店舗に入店した私は、すぐさま前日の怪しいルアーコーナーへと赴き、迷うことなくラピードを手に取りレジへ向かう。
会計の際、店員さんがいぶかしげにラピードを確認し、私のほうに一瞥をくれた気がしたが、まあ気のせいであろう、転売屋と勘違いされたのかもしれない。
「転売なんかするわけないだろ…」私は心の中で呟きながら店を後にする。
前日購入したF230と同じように特価品であったF190も購入している。
その際のレシートがコチラ。
再度ネットで調べてみると、カラーにより異なるがF190の場合、¥2700~というところ…当カラーは¥3100~。
にもかかわらず私が購入したこの特価、投げ売りとしか言わざるをえない…謎は深まるばかりだ。
ダイビングペンシル・哀しきラピード、検証
ラピード…
言わずと知れた有名なダイビングペンシル、私にとっても非常に思い入れのあるルアーでもある。
そんなルアーが思いもよらぬ特価にて販売されているなんて…
そこには何か、があるはずだ。
私のような一般市民には伝えられない、陰謀論のような事情なのか、それとも釣り業界の大変革が起こるのか…
私なりに検証してみるしかない。
第一の検証:偽物
私がまず疑ったのは模造品、海賊版、偽物の類である。
別の店舗でラピードを購入しておくべきだった…と思ったのだが、手に取り易い価格といっても何個も購入するのはお財布事情的にツラい…
今回はネットの画像との比較で検証してみる。
えっ!?見t…
私の素人眼、ではあるが本物のように見える。
だがパッケージを精巧に偽装し、中身は偽物という可能性も捨てきれない。
私は封をとき、また自分のルアーケースからラピードを探し出し比較する。
残念ながらF190を所有していなかったためF160との比較。
あの~カラa…
特に不自然な点はない。
釣具店はメーカーから卸しているはずなので、そもそも偽物の線は薄いか…
第二の検証:収納性
ふと、私の脳裏に『収納性』という言葉がよぎる。
我々ロックショアアングラーは限られたタックルを沖磯に持ち込むため、重要な事項…
ルアーケースに収めてみる。
いやいや!それグロi…
収まりは、良い。
そもそもラピードにそんな当たり前の事、を心配する事の方が杞憂だったのかもしれない。
第三の検証:現場の再現
店舗での状況を再現してみよう。そこになにかのヒントがあるかもしれない。
いやそのデz…
よく見る光景である。
配列を変えてみる。
いやだから!それグロi…
いたって平凡である。
第四の検証:デザイン
しかし、ここで私の記憶がフラッシュバックする。
あの店舗の配列…その中に潜む違和感…
何かが、私の琴線に触れる。
隣に配列されていた数種類のラピードF190は3200円程度だったはず…違和感の正体は、それだ!
脳内のシナプスをあらゆる情報が駆け巡り、照査する。
私は一つの手がかりを手に入れる…カラーだ!
このカラーだけ、が投げ売りされていたのだ。
カラー、デザインについて考察すべきであろう。
そ、それー!
もっと早く気d…
まずはデザインから検証してみよう。
《イカ》を模しているもののようだ。
今回は私がメインターゲットとしているヒラマサの食性について、を基準に考えよう。
肉食でイワシ、アジ、オヤビッチャなどの小魚、カマス、サバ、トビウオ、シイラの子供など比較的大きめの魚、タコ、イカなどの軟体動物、フカセ釣り師の撒く沖アミも捕食する。
大型の個体ほどイカを好むものが多い、と私は考えている。
地域や季節によっても変わるのかもしれないが、私が今まで胃袋の中身を確認した個体に関してはその傾向が強い。
その為、私はルアーを自作する際はイカを意識したデザインにする事が多く、市販品を購入する際にもイカに見えそうな物を選ぶ事が多い。
かの有名な貝田ルアーのトランペットなどはまさに、イカを模したルアーではないかと思っている。
また『イカパターン』などという言葉が存在するように、他の魚種にもイカが魅力的なベイト、である事は容易に想像できる。
いや、そういう問d…
デザインは問題ない。
第五の検証:カラー
次いでカラーについて検証してみよう。
頭は赤、後方に向かうほど黄色というよりゴールドに近い、そして背面はクリアレッド、腹側はクリアという配色・カラーリング。
クリアレッドはデザインのリアルさにも一役買っているようだ。
「これはっ!?…」
思わず言葉を失ってしまう…
このルアーを最初に見た時、雷鳴に打たれたかのごとく感じたあの衝撃の正体は、これだったのか…
おぉ!?ようやk…
素晴らしい!
皆様はカラー、についてどの程度の重要性を感じているだろうか?
カラーなんて関係ない、と考えている方もいるかもしれない。
しかし沖磯の目前に広がる広大な海原、その海面下では数え切れぬほどの魚、または軟体動物や哺乳類までもが様々な色味を纏い、乱舞している。
そんな中、ターゲットとするヒラマサに、自身のルアーを、見つけさせること…ができるのか?
私はそれを最も重視している。
その為、派手なカラー、海中にはないであろう色、を意識しているのだ。
またレッドヘッドなるカラーは明るい海中では非常に目立つが、暗い海中では見え辛く、すなわちシルエットを小さく見せる事が出来るのは有名であろう。
さらに、実は魚は海中で発光している、というのをご存知だろうか?
われわれ人間には知覚する事はできないが、オレンジ、黄色、緑色などに発光している、という事が最新の研究で明らかにされている。
このクリアレッドのトップウォータールアーが日光にさらされたならば…それはすなわち、魚から見ればこの上ないリアルカラーへと変貌するのかもしれない!
いや、着眼t…
カラーは秀逸である。
ここにきて行き詰まる…
解決の糸口すら見えてこない。
どう考えても、非の打ちどころのない素晴らしいのルアーなのだ。
私が挑んだのは、答えの出ないパラドックスだったのだろうか?
このまま一人で考えていても埒が明かない…私は再びネットで情報を集める。
そしてある記事を見つけ、驚嘆する。
ダイビングペンシル・哀しきラピード、結論
中国地方を中心に広い範囲に展開されている、かめや釣具店さんの店舗ブログの記事をご紹介させていただきます。
(前略)
そしてヤマリア様より大特価品が大量入荷!
(中略)
特にラピード玄海ガンセキがお安くなってます!!
このままの色ジャーちょっと・・・って方!色を落としてスプレーで再塗装なんて使い方をしても惜しくない価格です!
是非ステイホーム中の内職にもどうぞw
出典:KAMEYA >ショップニュース>出雲店>山陰エリア>人気品&大特価品入荷!!
釣具屋さんがそんな事言っていいの!?
と、思わず笑ってしまいました。
「まあ…そうですよね~」としか言えません。
私が釣具店で最初に見た時の正直な感想は…「何コレ!?誰が買うんだコレ?」でした。
売れない理由はすぐ解かりますよね?
この妙にリアルなデザインとカラーが相まって、何とも言えぬ不気味さを醸し出しています。
お金を払ってまで、自分の持ち物に不気味な物を加えたい、と思う方は少ないでしょう。
ルアーだとしても、リアルなベイトカラーだとしても…『う~ん』、と悩んでしまうのでは?
ちょっと画像を加工してみました。
【限定カラー】玄海レッドヘッド!
これだったら悪くないかな?
カラーのラインナップといっても商品を発売する場合、社内検討や市場調査、マーケティングリサーチを行い、決定すると思うのですが…
限定カラーゆえの遊び心なのか?はたまた渾身の新カラーだったのか?こればかりは謎のままです。
釣れる、釣れないで言えば上記、検証の項で述べた理由により、釣れそうな気がします。
《釣れるルアー》と《売れるルアー》は別の問題である、という事ではないでしょうか?
特価で投げ売りされていた理由は、この限定カラーの発売、2019年の夏頃のようです。
2年間売れずに残った在庫をどうするか…そういうことでしょう。
哀しきラピード・玄海ガンセキ、さいごに
今回は私の茶番にお付き合いくださりありがとうございました。
ちなみに、私のおススメのラピードのカラーはこちら!【B06Hサンマ】
よくあるカラーの様にも思えますが、フラッシングが有効そうという点+のっぺりとした質感、マットな感じが海中では異質な、つまり目立つのでは?と考えています。
そして、忘れてはならないのは【B39C玄海ガンセキ】
今回、私が購入した【哀しきラピード・玄海ガンセキ】なのですが、転売などはしませんし(そもそも転売しても売れないでしょう)、再塗装も考えてはいません。
既に述べた理由により「有効なルアーなのでは?」と思っていますし、使っていきます!
次の沖磯が楽しみな理由が一つ増えたようで以外と…良い買い物だったのかもしれない、とも感じています。
釣果等もいずれご紹介できれば、いいですね。
また、使用するフックについては⇓
コメント
ルアーケースにいっぱい詰まった玄海スペシャル、仕事中でしたが笑わせていただきました・笑笑。
私は血みどろイワシファンですが、近所の釣具店にも特価で売っているので、あの目のところを隠せばイカには見えないので使えるかと思っていたところです。
ぜひとも玄海スペシャルでの釣果を期待しております。
はじめまして、おりこみです。
コメントありがとうございます。
血みどろイワシもよいですね~
私はポップクイーンでしたら同カラーを所持していまして、愛用しています。
実は玄海ガンセキ購入以降、数度の沖磯釣行に赴き、必ず使用しているのですがなぜか、このカラーでの釣果がありません・・・
今後にご期待ください!
釣り紀行も読ませていただきましたが、私は今年長崎から松山に越して来まして由良半島から愛南の沖磯情報を集めているところです。
イカベイトであれば玄海ガンセキよさそうなんですが…
今後ともよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
四国のロックショアを堪能してください!