お世話になっております、アベット愛好家のおりこみです。
『ゴリゴリッ!』
『シャリシャリシャリッ!』
リールの巻取り時に感じるなんとも言えない違和感…長く釣りをしている方であればおぼえがあると思います。
『ゴリ感』『シャリ感』なんて言い方で良く表現されていますよね。
『まあ大丈夫だろう…』なんて安易に放置するなどもっての他!
将来、ギヤの破損など重大な損傷に繋がるかもしれない前兆ですので早めの対処が必要です。
また私の場合はAVET アベット レバードラグリールを渡船を利用し渡る沖磯、ロックショア釣行にて使用していますので、その実際のメンテナンス状況について、もお伝えします。
アメリカのリールメーカーでもありますし情報も少なかったり、ボルトもインチサイズだったり、工具についても知りたい方もいらっしゃるようですので、ご参考に。
今回はリールのゴリ感、シャリ感、について
その原因と対策
また【AVET アベット】リールのメンテナンスについて
実際のSXJ・ラプターモデルの分解の様子
これらについてお話しします。
リールの巻取り時の違和感でお悩みの方、またアベット・リールのメンテナンスをお考えの方、あなたの大切なリールを重大な損傷から守り、長く、できれば思い入れをもって使って欲しい、そう思い記しました。
またリールメンテナンスに際し、▼使用している工具類に関しては▼
さあ、リールメンテナンスを始めよう!必要な工具とは?おすすめの物をご紹介
の記事をご参考に!
[原因]リールのゴリ感、シャリ感
- リール内部への異物混入(塩、砂etc)
- グリスやオイルの減損
- 1、2に起因するベアリングの異常
主な原因としてはこの3つだと思います。特に「ベアリングの異常」がほとんどである、と感じています。
以前に友人から、
なんかリールの調子が悪いんだよ~
メーカーのオーバーホールとか高いから
ちょっと見てくれよ~
と頼まれ、渋々ながら簡単なメンテナンスを行った事があるのですが、リール内部への塩、砂などの異物の混入+ベアリングのオイル切れによりボールベアリング内部のボールのキズ、変形による異常を目にした事もあります。
[対策]リールのゴリ感、シャリ感
海で釣りをしている方であれば最低限のメンテナンス、などは行っているもの、と思っていたのですが…前述の友人からのヒアリングでは釣行後の水洗いですら、数回の釣行に1回、との事。
メーカーも海水での使用の場合は釣行後、真水での水洗いをすすめていたような…
今回はそういった基本的なメンテナンス、についてもお話しします。
[事前にできる対策]リールの日常的なメンテナンス
塩分はリールを構成するパーツ類、金属部品の最大の敵!。
海水、つまりは塩水が電解液となりイオン化し金属が溶解、これを電蝕と呼ぶのですが、この現象によりリールの金属部品は腐食してしまうのです。
海で釣りを行うのであれば、釣行後はその都度、水洗い、を行うのが基本となります。
リールメーカーも水洗いに関しては言及していますし『シャワーOK』などの表記などもしています。
私の場合はロックショア(沖磯)という環境、全身に潮を被りながらの釣りが日常茶飯事であるがゆえ、
- 沖磯にて、納竿の際リールを片付ける前にペットボトルにて持ち込んだ真水で全体を洗浄
- 自宅or連日釣行の場合は宿泊先にてリールを流水で洗浄
- リールを分解点検
- 必要に応じメンテナンス
という作業をおこなっています。
釣行後の水洗い、状況に応じ洗浄、オイルの注油、グリスアップ、これらは「最低限の日常メンテナンス」と言えるでしょう。
これらを行うだけでもリールのゴリ感・シャリ感の対策になるかと思います。
[症状が出てからの対策]リールのゴリ感、シャリ感を解消
前述したとおり、巻取り時の『ゴリ感』、『シャリ感』を感じる原因はベアリングに何かしらの不具合が生じている可能性が高いです。
まずはリールのハンドルに関わるベアリングを点検し、その状況に応じ、洗浄、オイルの注油、場合によっては交換を考えるのが良いと思います。
次いでリーリングに関わるギア類を確認し、洗浄、グリスアップ、最悪の場合は交換、という工程へ。
『自分ではできないな』と感じたらメーカーのオーバーホール、もしくはリール修理の専門店に依頼を出すのが良いでしょう。
『自分のリールなので自分でメンテナンスしたい!』という方は自己責任にてお願いします。
【AVET アベット】リールのメンテナンス
実際に私が使用しているアベットのリールにおいて、リーリング時の違和感、いわゆる『ゴリ感・シャリ感』をおぼえ、メンテナンスを行う事となったのでその状況をご説明します。
上述したとおり、釣行後の水洗い、分解点検をロックショア(沖磯)釣行の都度おこなっており、今までこの症状に出くわしたことはあまりありませんでした。
この度、こういった状況に至った原因は推測がついています。
- 地磯でのテスト釣行を数度行う(ハードな使用ではなかったので水洗いのみ)
- たまたまとれた休みに弾丸ロックショア釣行(水洗いのみ)
- 同じ週の週末にもともと計画していたロックショア釣行
3の釣行時に違和感を感じ、今回の釣行後の分解点検に至りました。
3の釣行の予定が決まっていたので「その後で良いだろう」と、2の釣行後のメンテナンスを怠った事、1の釣行を甘く見ていた(水洗いのみで良しとした)事が原因かと思われます。
沖磯での全身に潮を被るようなハードな使用では「釣行の都度、分解点検を行う事は必須である」と今回、身に沁みてわかった気がします。
アベット[分解]手順や注意点
まずは「レバー」を取り外す為に画像の赤〇、外観はベイトリールのメカニカルブレーキに似ている機構「プレスノブ」を半時計回りに回し外します。
工具などは必要なく、素手で簡単に行えます。
次いで「スライドプレート」を取り外さなければなりません。画像の赤〇、2つのキャップボルトを緩めます。
AVET・アベットはアメリカのリールメーカーであり、ボルトはインチ規格が採用されています。アメリカではインチサイズが標準ですので当然ですが…
日本でよく見るミリ(メートル)規格とは異なるサイズ(そもそも単位が違います)であり、対応する工具も異なります!
インチサイズの7/64の六角が必要となります。
規格の異なる近しいサイズの六角で回せる場合もありますが、おすすめはしません。強引に回そうとしてネジ山がなめてしまえば大変な事になります。
ボルトの頭に穴を開け、そこに逆ネジタップを切るか、エキストラクターをねじ込み抜き取る事になるのですが、リール用の小さいボルトで行う事などそもそも出来るでしょうか?
私はインチサイズの工具を準備すること、をおすすめします。
続いて画像赤〇、本体の3点のキャップボルトを取り外します。この際にはインチサイズの3/32の六角が必要となります。
リールのメンテナンスに関しては、ショートヘッドのモノが使いやすく、おすすめです。
これでハンドル側の取り外しが可能となり、スプールが取り出せます。
アベット[点検]
状況を確認し原因を特定、対応を考える訳ですが、基本的には目視や触手での点検となります。
今回に関しては一目瞭然、と言っていいでしょう。
おそらくベアリングであろうと予測はしていたのですが、今回はスプールシャフト、スプールシャフト側のベアリング、
軸受け側もなかなかに酷い状態…
せっかくなのでマグネットブレーキ回り、クリッカー部、おまけにリールフットも洗浄、グリスアップを行う事としました。
リールフットの取り外しにはインチサイズ、3/32が必要です。
アベット[対策]清掃、注油、グリスアップ
- 各部品類をパーツクリーナーにて洗浄
- ベアリングにオイルを注油
- その他はグリスアップ
あとは分解と逆の手順で組み戻せば終了となります。
ちなみに、ですが今回と同じメンテナンスをアベット・MXJ・ラプターモデルで行う場合も同じ手順、ボルトサイズも同じである為、同じ工具で行えます。
▼ドライブシャフト側、ピニオンギヤやメインギアなどのメンテナンスが必要な場合には▼
【アベット ラプター】ドライブシャフト側の構造、ギヤなどを詳しく見てみる
の記事をご参考に!
アベット、リールのメンテナンス、ゴリ感、シャリ感の原因と対策、さいごに
今回はリールの『ゴリ感』『シャリ感』の原因と対策、またアベットの日常的なメンテナンスについてお伝えしました。
アベットのリールに関しては日本製のリールと異なる点や、ちょっとしたコツなどもあるのですが長くなりそうなので、ご要望があればまたメンテナンスの都度お伝えしたいと思います。
あなたの釣りがより快適に、そしてリールを大切にしていただければ幸いです。
コメント
私もアベットで青物やってまして、このHPに辿り着き、仲間いて嬉しく思いました。
リールハンドル見ますとゴメクサスに変えているようですが。あまり交換できるパーツないと思っていましたが、チャレンジされていてびっくりしました。
交換されているサイズやフィッティングの様子はいかがですか?
はじめまして、おりこみです。
コメントありがとうございます。
私も知人にアベットユーザーなどいないので、使っている方がいる事を知れただけで嬉しくなります。
ハンドルノブの件ですが、SXJにはAknobシマノ、タイプA、41mmを、MXJにはBknobシマノ、タイプB、45mmを使用しています。
取り付けにはやや難があります。
ハンドルノブを分解してもらえばお解りいただけると思うのですが、構造が日本のリールとは異なる設計になっています。
ゴメクサスのハンドルノブを取り付けるためにはスペーサーのようなモノを準備する必要があり、私の場合は複数個のベアリングを重ねて使用しています。
また0.1mmだったかな?(記憶違いだったら申し訳ないです。)…ワッシャーを入れて調整しないとスムーズに回転しなかったおぼえがあります。
使用感自体はとても良いですし、個人的にはデザインも気に入っています。(安い割には良い!)
ご参考になれば幸いです。