お世話になっております、沖磯釣り師のおりこみです。
渡船屋さんってどうやって利用するの?
何を準備すれば良いの?
沖磯に興味はあるケド…
初めてだし、なんか怖い…
こんな風に考え、ためらっているのでしょうか?
それはとても、もったいない事だと思います。
世間の喧騒が消え潮の音だけが響く世界 濃く、青く、しかしながら透明な、淡く、蒼く、深い海 澄み切った空気と美しい情景の中 磯の上でひとり ただただ魚と、潮の事だけを考えながら釣りをし 無心になって魚とのやりとりをする
こんな釣り…を知って欲しい、ぜひとも沖磯・ロックショアに挑戦してみて欲しい、と思います。
なのでこの記事では、
渡船の乗り方・利用方法、予約~帰港まで
事前の準備、必須の装備と持っておくと良いモノ
沖磯での注意点
これらについてを記しています。
10年以上、沖磯・ロックショアでの釣りを嗜み、こよなく愛する私「おりこみ」がお伝えしましょう。
少しでもあなたのお悩みの役に立てれば、ロックショアに興味をもってもらえれば、と思います。
はじめての沖磯 渡船の利用方法、事前の準備
これから準備や注意点などを述べていくのですが大前提として、
初めて沖磯に渡られる方は絶対に一人では行かないでください!
経験者に同行してもらうのがベストですが、そういった知り合いがいない場合は複数人で、かつ船頭さんに沖磯が初めてである旨、同行者全員を同じ磯にあげてほしい旨を伝えてください。
沖磯釣りには半夜釣り、瀬泊まり、2日釣り等ありますが、今回は1日釣りで、日中釣りについてお話しします。ルールも渡船屋さんや、地域によって違ったりしますが、基本的なことは同じだと思います。
そしてこの事前の準備、はとても大切な工程です。この準備を怠ると、例えば忘れ物をしてしまったり…ロクな釣行になりません。
またロックショア・沖磯、という過酷な環境に挑むことは危険をもはらむ、という事も知っておいてください。
『自分は大丈夫であろう』なんて軽々しい考えでは臨まないでください。
そしてしっかりと、万全の準備をしてください!
事前の準備①沖磯へ渡る渡船の利用に必須の装備
ホームページなどで着用を呼び掛けている渡船屋さんもありますし、今からご紹介する必須装備2点は着用していなければ乗船させてもらえないので注意!
ほんとうに、必須の装備です。
ロックショアベストorフローティングベスト
切り立った岩肌、磯に群生するフジツボやカメノテ…もし傷が入ってしまえば自動膨張式のライフジャケットは機能しません。必ず固形式のフローティングベストを準備してください。
浮力は7.5Kg以上のモノが推奨されています。
ちなみに、みなさまは「落水」を経験した事はあるでしょうか?
私は実際に沖磯釣行時に落水した経験があります、自慢できるような事ではありませんが…
その際、実際に海に浮かんでわかったのですが、フローティングベストにはもの凄い浮力があり、急激に浮かび上がろうとします。他人に脇の下から抱えられ、持ち上げられている様な感覚を覚えるほどです。
対し、人間は沈みます。ウェアや服、磯靴などが水分を吸収してしまうためでしょう。
つまり、もし股ベルトをしていなければフローティングベストがスッポ抜けてしまうかもしれない、という事です。
このスッポ抜けを防ぐのが股ベルト、というモノ。必ず股ベルト、が備えられているフローティングベストを使用しましょう。
ルアーゲームベストなどの股ベルトが備えられていないモノはNG!また着脱できるモノもありますが取り外さず、必ず装着してください。
▼フローティングベストについてはこちらの記事もご参考に!▼
沖磯用の磯靴
ブーツタイプ、シューズタイプ、ソールの種類も色々ありますがブーツ、シューズはお好みで、ソールはフェルトスパイクかスパイクなら渡船には乗船可能。
ただし、スパイクソールは潮で濡れた磯、特に海苔の生えた磯ではビックリするぐらい滑ります。私はフェルトスパイクソールの磯シューズを使用していますし、おすすめです。
その他
- グローブ(冬には防寒対策の優れたモノを)
- スマートフォン(防水対策、も忘れずに)
- レスキューホイッスル(フローティングベストに付属しているものでもOK)
- 飲料・食料(特に飲料は余分に)
- ヘッドライト(冬場は必須)
- ウエア・レインコート(専用のモノがおすすめ、冬場には防寒対策も必須)
- 水に流せるティッシュ(察してください)
ここでは渡礁のために必須であるものをピックアップしています。
他にも準備したほうが良いものや、釣りに行くのですから当然ロッド、リール、クーラー等も必要ですが今回は割愛させていただきます。
▼タックル類に関しては▼
タックル | おりこみ釣り (orikomizuri.com)
こちらの項もご参考に!
また注意点として、ロッドケース、磯クーラー、バッカン等には大きく名前を書きましょう。同じようなタックルの方も多いため間違って持っていってしまう方もいたり…
事前の準備②沖磯へ渡るために渡船屋さんへの連絡
渡船の予約
閑散期であれば前日でも可能な事もありますが、繁忙期には満席もあり得ます。早めの予約がおすすめ。
渡船屋さんによっては予約不要、当日来たお客さんを順次乗せて出船する、といったエリアもあります。事前にホームページか電話、で問い合わせ確認をしておきましょう。
私は予約の際に最近の釣果はどうか、他のお客さんの予約状況はどうか、などを確認しています。
弁当を届けてくれる渡船屋さんで、事前に注文しておかなければならないケースではこの時にお願いしましょう。当日の朝でも大丈夫、な渡船屋さんが多いような気はします。
また渡船屋さんによっては仮眠所や宿泊設備を備えている場合があります。利用したい場合には料金や予約の必要性などについても確認、または予約をしておきましょう。
初めての方は、自分が沖磯は初めてである旨、同行者と同じ磯にあげてほしい旨、を伝えてください。またあらかじめ「青物が狙いたい、ルアー釣りがしたい」等も告げておくとスムーズに渡礁できると思います。
さらにホームページ等に詳しく記載されている渡船屋さんもありますが、駐車場、出船場所、出船時間、納竿時間、料金は前払いか後払いなのかも確認しておくとよいですね。
渡船屋さんへの連絡は遅い時間はNG。朝早くからお仕事をしてらっしゃるので、私は午後7時までには連絡するようにしています。
ホームページなどで『9時までには連絡してね!』などのアナウンスをしてくれている渡船屋さんもあります。
釣行前に出船の確認
前日に出船の確認の連絡をしましょう。
天候等により出船できないこともありますので必須です。船頭さんが前日、昼or夕方の天気予報により判断している場合が多いです。
予約の際に出船の確認は何時にすればよいか、も聞いておくのがよいですね。
はじめての沖磯 渡船の乗り方・利用方法、出船~帰港まで
渡船の利用方法①沖磯へ向かう渡船の出船前
出船の30分前には到着するようにしましょう。初めての方であれば着替えを済ませ、道具類を船の付近に準備しておいてもいいと思います。
渡船屋さんによって異なりますが、事務所のようなところで乗船名簿を記載し料金を先払い、乗船してから乗船名簿を記載、料金は後払い等さまざまです。
あらかじめ確認しておくか、他のお客さんにならいましょう。
出船の10分前ぐらいになると他のお客さんが慌ただしく準備を始め、渡船への荷物の積み込み、乗船を始めます。ならって乗り込めばOK。
【追記】昨今の世間の情勢により、『乗船前の検温、手指の消毒を行うため出船の1時間ぐらい前には来て欲しい』または『乗船後はマスクを着用、船内では同行者同士で過ごしてください』などホームページで呼びかけていたり、予約の際にお願いされる事もあります。
ロックショア(沖磯)での最高釣りを存続していくために、渡船屋さんに協力しましょう!
渡船の利用方法②沖磯へ向かう渡船の出船
どの磯へ上がれるか、その決め方はエリアにより様々です。
- 渡船屋さん同士のくじ引きorジャンケンで磯割や磯を決める
- 日替わりや出船数などで磯割が決まっている
- 早く瀬付けしたモノ勝ち、渡礁したい磯が被ったら船上でジャンケン
- 船内で船頭さんや他のお客さんと話し合い決定
などなど、船頭さんやポーターの方、もしくは他のお客さんに聞けば色々と教えてくれるでしょう。
私はお客さんが少ない時など、可能であれば操船室に入ります。
そこで船頭さんに最近の釣果を聞いたり、磯割表を見せてもらってこの磯へ上がりたい、と希望を伝えたりもします。
閑散期であれば『他のお客さんとじゃんけんして決めて』、『相談して決めて』…なんてことも。
基本的には船頭さんがどのお客さんをどの磯に渡すか、を決めますし、大会、連泊(連日予約)、人数などの優先順位もあります。
初めての方は船頭さんにお任せが良いでしょう。
渡船の利用方法③渡船での沖磯への渡礁
目的の磯へ近づくと船頭さんorポーターさんが呼んでくれる渡船屋さんが多いと思います。自分の荷物を船首付近まで移動させ、待機しましょう。
その際の注意点として船頭さんから船首が見えるように、船首の左右もしくは一段下がったところでしゃがんで待ってください。
船頭さんが船首を磯に当てエンジンをふかし船を固定し、船体が安定したら磯へ渡ります。もしくは船頭さんが合図してくれる場合も。
渡礁の際は飛び移るように渡りましょう。
磯と船首を跨ぐのは厳禁!波で船が上下すると、又裂き状態、最悪の場合落水。
磯へ渡ったらバケツリレー方式で荷物を受け取ります。
ポーターさんがいる渡船屋さんではポーターさんにお願いしますが、いない渡船屋さんではお客さん同士で行うのが普通です。
もし一人で渡礁される方がいた場合に、船首へ立たれている方などがいなかったのであればお手伝いしましょう。
また足場の悪い磯・ハエへ渡礁する際に船頭さんから『チャランボ持って行ってね~』と声をかけてもらう場合が時々あります。
「チャランボ」というのは磯に立て、荷物を掛けておいたり、ロープを掛けたりする鉄製(サス)の杭の様なモノ。
荷物を高波から守ったり、自身が手すりとして使用したり、ととても大切なアイテムです。
渡船のデッキなどに準備してくれているので、必ず持って渡礁しましょう。
磯へ上がったらまずは荷物を潮の被らない場所、なるべく平坦な場所へ移動させます。
自分の荷物を確認し、船頭さんへ合図をすると次の磯へ向かいます。その際に船頭さんから『この向きが良いよ~』などアドバイスをしてくれるので良く聞いておきましょう。見回りや納竿の時間を教えてくれる場合もありますのでよく聞いておいてください。
渡船の利用方法④ついに渡船で沖磯へ、ロックショア釣行
沖磯を存分に堪能してください。注意点としては、
- 荷物を流されない場所に置くこと、磯全体が潮を被るような場所であればチャランボやロープなども必要
- 釣り座(足場)の確認
- 体調不良、天候の変化などで危険と感じた際はすぐに船頭さんに連絡
- 当たり前の事ですが、ゴミは持ち帰りましょう
渡船屋さんの見回りは9~10時頃が多いと思いかと。弁当を頼んでいる場合、その際に受け取ります。
弁当を頼んでいないと見回りがないエリアもあるので、そういった場合には船頭さんに連絡してください。
瀬替わりしたい場合はその旨を伝えれば違う磯に渡してくれます。
ただし繁忙期、天候等の理由により渡れる磯がない場合もあります。希望するのであればあらかじめ瀬替わりが可能か船頭さんに電話で確認し、荷物をまとめておきましょう。
渡船の利用方法⑤渡船を利用した沖磯釣行、納竿、帰港
納竿時間が近づいたら片付けをしましょう。私は40分前ぐらいには道具を片付け、魚を処理し、休憩したり、景色を眺めたり、ゴミを拾ったりしています。
自分の持ち込んだゴミは当然、そうでなくとも、持ち帰りましょう。
沖磯という素晴らしい環境を守ることは将来の自分の釣果に繋がるかもしれませんよ。
渡船屋さんの迎えは渡礁の際と同じく船着きと呼ばれる場所に船を付けてくれます。潮位によっては違う場所になるかもしれませんが、近くに荷物をまとめておくと良いですね。
渡礁の際と同じようにバケツリレーの要領で先に乗船しているお客さんに荷物を渡し、最後に乗り込みましょう。
次の磯へ向かい、そこのお客さんの荷物の受け渡しを自分が手伝う、というような暗黙のマナーのようなものがあったりします、地域やエリアによっては異なりますが。
最低でも自分の次の方のお手伝いはしましょう。別にすべてのお客さんの荷渡しを手伝ってもOK、ポーターさんだと勘違いされるかもしれませんが…
帰港したら荷物を下ろし、船頭さんに挨拶し、後払いの渡船屋さんの場合はこの時に支払いましょう。
あとは帰宅するだけですが、沖磯での釣行はかなりのハードワークです。
悪い足場、強い風、寒さ、暑さ、全身に潮を被りながらの釣り、相当疲弊しているはずです…車の運転をするのであれば無理せず仮眠をとり、安全を心掛けましょう。
はじめての沖磯 渡船の乗り方・利用方法や注意点、準備~帰港まで、さいごに
繰り返しになりますが、初めて沖磯に渡られる方は絶対に一人では行かないでください!
経験者に同行してもらうのがベストですが、そういった知り合いがいない場合は複数人で、かつ船頭さんに沖磯が初めてである旨、同行者全員を同じ磯にあげてほしい旨を伝えてください。
沖磯・ロックショアは私の釣りという概念、生活や価値観までをも変えてしまうものでした。
あの素晴らしい体験を、あの感動を、少しでも多くの人に味わってもらえれば、と思います。
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