お世話になっております、沖磯釣行にてロッドをへし折り、途方に暮れたおりこみです。
市販のロッドには自分の理想とするモノがない…
このロッド、もう少しグリップエンドが長ければ…
こう考えたことはないでしょうか?
ロッドビルド、または改造などを行ってくれる店舗などもありますが『自分でやってみたい!』とお考えなのではないでしょうか?
この記事では、実際に作業を行いながら、
ロッドのグリップを延長する方法
必要な材料や道具類
これらについてをお教えします。
自分の理想とする竿を求めロッドビルディングに挑戦する方、またはお手持ちの竿のグリップが短い、脇に挟むために延長したい、とカスタムをお考えのあなたの為に詳しくご紹介します。
この記事のトップ画像のロッドは私が自作し、グリップを延長し使用しているモノ。そして沖磯での釣行の際中に延長していた部位が折れ、スッポ抜けた際に撮影を行いました。
なのでその修理を行いながら、方法についてをお話しさせていただきます。
みなさまが同じツテを踏まないように、このトラブルの原因についても考え、対策も行っていますのでご安心を!
※ただし、市販品のロッドは各メーカーの開発の方、もしくはロッドビルダーさんが適切な設計を行っているはずです。市販品のカスタムは思わぬ不具合が発生する可能性もありますので、自己責任にて行ってください。
ロッドのグリップを延長する為に必要な材料、道具類
ロッドグリップ延長に必要な材料
コチラが延長するロッド本体、となるモノです。
コチラは印籠継ぎの軸芯、となる材料になります。
グリップ素材は好みもあるかとは思いますが…私はEVA素材を使用しています。
※使用するカーボンパイプ、グリップ、バッドエンドのキャップは製作、もしくは改造するブランクスに合わせ選定してください。
上記のモノは私が以前、ロッド製作時に選定したモノで、参考例です。リンク先で[外径〇mm]などで検索して探してみるのが良いでしょう。
そしてブランクスとグリップ、またはカーボンパイプなどの隙間を埋めるためのテープがコチラ⇓
ロッドビルディングの必需品、2液混合型接着剤、このクイック5は硬化が速く非常に便利!
ロッドグリップ延長に使用する道具、工具類
などが必要となります。
▼道具類に関してはこちらの記事をご参考に▼
延長していたロッドグリップの修理
今回、私は上述した自作ロッドの修理を行い、その作業風景を撮影しています。
この後の項、にてグリップ延長方法をお伝えするのですが、この項の作業風景の画像にて延長の作業をイメージしやすくなると思いますので、参考にしてみてください。
またこのロッドのスペックは、コチラ⇓
length | line max | cast max | drag max |
9.8ft | 70lb | 140g | 10kg |
そして製作から約2年、ロックショア釣行にて使用し、それなりに魚もかけてきたロッドです。
ロッドグリップが折れた?外れた?原因を考える
私が行っているグリップを延長する方法は、ブランクスと同等の外径のカーボンパイプとそれぞれの内径と同程度の外径のカーボンパイプを準備し、細い方を軸芯とする印籠継ぎのようなやり方です。
そして延長するバッドエンド側に20cm、ロッド先端側に3cmほど軸芯が入るように製作していました。
上画像は軸芯としていたカーボンパイプを取り外し、先端に巻いていたテサテープを剥がした様子…
今回のケースは「折れた」というよりも、この印籠継ぎの部分が「外れてしまった」ような状態です。
そしてロッドの先端側(画像では右側)がヒビ割れているのがおわかりいただけるでしょうか?
私はバッドエンド側を強固にするべきと考え、また先端側の差し込む長さは「3cm程度あれば十分であろう」と思っていたたのですが、先端側の方が負荷が掛かりやすいのは当然で、この差し込み長さは不十分であった、と言わざるを得ません。
また接着剤が十分に充填できていない部分が見受けられます。
グリップを延長する方法としては、2年以上の実釣で使用し、100g級のルアーを投げ続けてきたことをかんがみれば、問題はないような気がします。
そして色々と考えてみて、
このあたりが原因では、と考え対策をとる事としました。
ロッドグリップの修理と対策
上画像のカーボンパイプはもともと使用していたモノの接着剤やテサテープをはぎ取り、割れていた先端3cmほどをカットした状態です。
新品を購入し使用するべきだとは思うのですが、早急に修理をしなければ次の釣行に間に合わないかもしれないので再利用しています。
コチラの画像は軸芯とするカーボンパイプにテサテープを巻いた様子、このテサテープとはブランクスとカーボンパイプの隙間を埋めるためのモノです。
つまりバッドエンド側もロッド先端側も10cmほどの差し込み深さ、上画像のような位置で接着します。
テサテープ自体にも接着剤が浸み込み、補強となるのでこういう巻き方にしてみます。
そしてバッドエンド側を接着します。
はみ出るぐらい盛大に塗りたくり、そして回しながら差し込み、ムラの無いように気を付けます。
はみ出した接着剤はパーツクリーナーを含ませた布で拭き取りましょう。
私が使用している接着剤・クイック5は、5分で硬化が始まり15分で初期実用強度に達するのですが、慎重を期して1時間ほど待ちます。
そしてロッドの先端側にもこれでもかとクイック5を塗りたくり、通常の常温硬化型エポキシ接着剤の24時間後の強度に約2時間で達するはずですが、やはり慎重を期して丸1日触らずに放置…
そして完成へと至りました。
EVAグリップも交換した方が見た目的には良いですが、今回は急いで修理をしたかったのでこんな不格好な仕上がりとなっています。
釣りをすること自体には何ら影響はないので私は気にしません。
新規でロッドビルドする方は問題ないですが、既存のロッドを改造する方で見た目にもこだわりたい、という方にはグリップも更新する事をおすすめします。
ロッドのグリップを延長する方法
上記の項[延長していたロッドグリップの修理]の画像を参考にしてもらえれば、イメージしやすいかと思います。
新規でロッドビルディングを行うケースと既存のロッドを改造するケースがありますが、工程は重複する部分があります、後者、改造の場合だけ行う工程は-αと記していますのでご注意ください。
手順①-α バッドエンドキャップ、グリップの除去
※改造の場合のみに必要な工程です。
バッドエンドのキャップはうまく取り外す事ができれば再利用可能ですが、基本的には破壊し取り除きます。
グリップも同様、カッターナイフで削りながら排除。
そして残った接着剤などはブランクスを傷付けないよう、気をつけながらカッターナイフで削りとる+サンドペーパーにて除去します。
手順① 設計、材料の選定
まずはどの程度延長したいかを考え、そして延長するブランクスの外径、内径をノギスを用いて測定しましょう。
そこから延長する為のカーボンパイプ、軸芯とするカーボンパイプ、グリップ、バッドエンドキャップを選定します。
手順② カーボンパイプの加工
延長用のカーボンパイプ、軸芯となるカーボンパイプをノコギリ、ノコギリ用ガイドブロックを用い切断。
そして切断面や内部を棒ヤスリ、サンドペーパー使用しバリ取り、研磨をし整えておきます。
手順③ カーボンパイプを接着
軸芯となるカーボンパイプにテサテープを巻き、2液混合型エポキシ接着剤を用い、印籠継ぎの要領でブランクス、軸芯用カーボンパイプ、延長用カーボンパイプを接着。
あとは硬化を待てばブランクスの延長が完了、そして定常のロッドビルディングの作業へと移ります。
手順③-α グリップ、バッドエンドキャップの取りつけ
※改造の場合のみに必要な工程です。
新規でロッドビルディングを行う場合にももちろん必要な工程ですが、改造の場合は手順③ののち、この工程で作業が終了となります。
グリップをノコギリでカットし、仮組みをし長さを確認、問題なければテサテープを巻いて、グリップ、エンドキャップと接着をおこないましょう。
接着剤はケチらずにたんまりと、はみ出るぐらい使用するのが良いかと…上述した私のトラブルもありますので。
あとは接着剤の硬化を待てば完成です。
ロッドグリップ延長に必要な材料、道具や工具類をおさらい
使用する工具・道具類に関しては、「ロッドが…折れた…」釣竿を自分で修理!その方法を解説、失敗例もアリ、という記事もご参考に!
ロングロッド自作orカスタムする為のグリップエンド延長、さいごに
今回はロッドビルディングの際、または手持ちのロッドの改造におけるグリップエンドの延長の方法、をご紹介させていただきました。
『もうちょっと長いロッドが欲しい』、『グリップエンドがもう少し長ければ…』とお考えでしたら参考にしてみてください。
あなたが理想のロッドを手に、快適な釣行に挑むことができるよう、祈っております。
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